豆知識…これからトリビア的に

豆知識

自分は化学品メーカーで、割と広い範囲の業務についてきました。基礎研究、商品開発、設備設計、営業、家庭用品の企画、ネット関係の管理…等々。その経験で、様々な専門知識や業界裏話を見聞きしてきました。

これから、このブログの中で豆知識として、その得た知識の一部をアップしていこうと思います。

専門的なことは博士や先生と呼ばれる方にお任せして。小難しいグラフ等は使わずに。わかりやすい言葉で少しずつアップしていこうと思います。ご興味のある方は是非お付き合いをお願いします。

まずは手始めに乾燥剤関係をお話ししようと思います。メーカー在籍時には話し辛かったことも、客観的な立ち位置でアップしていきますので、よろしくお付き合いください。

初回なので在籍時に関わることが多かった、家庭用乾燥剤関係の種類についてお話しします。代表的な乾燥剤は以下のようなものがあります。

【生石灰】

酸化カルシウム(CaO)の結晶を粒状にして、不織布などの袋に詰めた商品が代表的商品、酸化カルシウムが水と反応して水酸化カルシウム(CaOH2)/消石灰になる反応を利用して、水分を吸う乾燥剤として使用される。反応後の水酸化カルシウムには乾燥能力はなくなる。水を吸って水酸化カルシウムになった使用済み商品の見分け方は、不織布の袋が膨らんだ状態になったり、触って粒感が無くなったりすることで判断できる。乾燥力は強く、高い乾燥能力を求められる海苔などの乾燥維持によく使用される。水分を吸うときに反応熱が発生する。その熱を利用した商品も販売されている。価格はほかの乾燥剤と比べると安価。再生使用はできない。

【シリカゲル】

二酸化ケイ素が主成分の乾燥剤。透明なフィルム袋に詰めた商品、不織布に詰めた商品が代表的。透明な球状ビーズタイプや不定形の粒状タイプ、粉末タイプがある。見た目は透明なガラス状に見えるが、その内部には複雑な細かい穴が開いている。その穴の容量や細かさを変化させることで様々な水分吸着特性を持たせることができる。家庭用で使用されるのはJIS A形とB形があり、一般的には見た目で判断できない。A形はその周辺の湿度を下げる力が強く、おかきやクッキー等の乾燥維持に使用される。再生使用には不向き。B形はシート状にした商品がクローゼットなどの湿度コントロールに使われたり、床下などに使用して家の中の湿度調整に使用される。天日などで再生が可能で、繰り返し使用が可能である。価格はほかの乾燥剤と比べると高めとなる。

【塩化カルシウム】

塩化カルシウムの粒が入った容器に、水分を吸って水がたまっていく商品が代表的、塩化カルシウムは非常に水に溶けやすく、空気中の水分も取り込んで水溶液となる潮解性という性質を持っている。そのため容器にたまる液体は、ただの水ではなく、塩化カルシウムの濃度の高い水溶液である。使用後のこの液体の処理は注意が必要で、革や木製品、金属製品などに付くと変色等の可能性があり、拭き取ったり洗ったりする必要もある。他の乾燥剤と違い、貯まった水が目に見えることもあり、効果を実感できる有意差はあるが、乾燥剤の性能とは必ずしも一致しない。

【ゼオライト、クレイ】

合成ゼオライト、天然粘土鉱物のベントナイトなどを袋に詰めたり、シート化したり、タブレット化したものが代表製品。低湿度域でも高い吸湿能力を持つ特徴を持つ商品が多く、医薬品や精密機器、輸送コンテナ等、水分の影響を受けやすいものに使用されることが多い。

乾燥剤(調湿剤)は家庭内の様々な場所で上手に使用すると、非常に便利なものです。次回からは有用な使用方法についてお話しする予定です。

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